㉒『8hのメビウス』
2024.10
永遠と無限の掃き溜め。
平日昼間の公園で。
夜遅くのファミレスで。
日曜日の会社倉庫で。
コミネは勤めていた「合同会社メビウス」を辞めた。アルバイトのシバタとの諍いが原因だ。
シバタは50歳にして自営業をリタイアし、残りの人生は悠々自適に生きることにしていた。
メビウスのバイトは暇つぶし程度にやっていたので、シバタもメビウスを辞めた。
そして夢だった日本一周の旅を始めることにした。娘と一緒に行きたいが、妻と別居してからずっと嫌われている。
コミネは会社を辞めたことを家族には黙っていたが、元々会話も少ないのでバレる気配はなかった。
仕事に行くふりをしてネットカフェで私人逮捕系YouTuberの動画を見ていた。
メビウスの仕事は、紐状の長い物体を八の字巻きで巻き続ける仕事だ。
巻いたものは出荷されて、ぐちゃぐちゃになって戻ってくる。それをまた巻く。巻き続ける。
生産性もやり甲斐もない労働をやり続けて生きる人々の、世界を俯瞰する余裕もなく、
目の前にあるものを奪い合う蟲毒のような日々と、最果てで見つめる小さな光の物語。
ウンゲツィーファ10周年記念公演。5年ぶりの長編作品。初期衝動への帰還。
脚本・演出
本橋龍
劇生(出演)
※劇生とは造語で、創作に関わった人々のことである。大きく役割で分けているが、其々が影響を与え合うことで一つの演劇を生成している。そこには観客も含まれる。
黒澤多生、近藤強、高澤聡美、豊島晴香、藤家矢麻刀、百瀬葉、山田薫
会場
期間:2024年10月18日(金)-27日(日)
会場:スタジオ空洞(池袋)
スタッフ
音楽:heron
映像:上原愛
映像記録:櫻井潤
演出補佐:山田薫
宣伝美術:一野篤
イラスト:樋口寛人
舞台監督:黒澤多生
制作:渡邉結衣
作品映像
【制作中】